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「暑さを忘れる集中力」 

作業場に差し込む朝の光。

気温も湿度も高くて、じっとしていても汗がにじむ。

けれど、手にトングを持ち、形状をチェックし始めると——

その暑さが、ふっと意識から遠のく瞬間がある。

目の前の“もの”と向き合う時間。

削り跡、バネのしなり、先端の感触。

五感を総動員して、自分の感覚をたよりに確かめる。

そのときだけは、空調の効き目よりも、集中力のほうが勝っている気がする。

暑い夏こそ、作業に没頭できる自分に出会える。

汗だくでも、気持ちはなぜかスッキリしている。

それが、ものづくりの魔法。